In vitroおよびin vivo実験系を用いて、メタボリックシンドローム疾患遺伝子の検索を、病態発症の危険因子及び抑制因子の両方向から行った。食用キノコやレンコンの抽出物を用いた実験により、脂肪組織から分泌されるアディポサイトカインのうち、Monocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)発現上昇が非アルコール性脂肪性肝障害惹起と高い相関にあり、アディポネクチン発現低下がインスリン抵抗性の惹起と深く関わっていることが明らかとなった。とくにムキタグ熱水抽出物には、炎症性サイトカインの発現を調節する転写因子Nuclera factor kappa Bの活性化調節に関与するInhibitor kappa B Kinase betaに対する阻害作用が示された。同じキシメジ科のシイタケとの比較解析により、ムキタケのみに含まれる33成分と更に熱水抽出物のみに含まれる7成分を見出すことに成功した。またEtOH抽出物には、善玉因子であるアディポネクチンを上昇させるさようがあり、特徴的な5成分が見出された。さらに、レンコンはプロ案都市兄陣を含んでおり、肥満誘発性の脂肪肝発症に対して、アディポネクチン産生上昇を介して抑制作用を発揮することも見出された。 よって本研究により、危険因子であるMCP-1発現を抑制し、善玉因子であるアディポネクチン発現を亢進する様なアディポサイトカインプロファイルの改善を制御できる食品成分が存在し、食環境によるメタボリックシンドローム発症の予防・改善への活用が期待できる。
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