伝統的木造住宅の耐震性能はこれまでに多くの研究によって検討されているが、応力の伝達機構や、大変形域での破壊過程の複雑さがあり、未だ明らかになっていないことが多い。本研究では、研究代表者が開発した倒壊解析プログラムに、伝統的構法特有の耐力発現機構、破壊過程のモデル化を新たに加えることで、伝統的木造住宅の大変形挙動を含めた耐震性評価手法の開発を行うものである。3カ年を通して、伝統的構法特有の柱脚の滑り挙動、水平構面が柔床として変形する構造体、接合部のモーメント抵抗機構については本解析手法で倒壊まで追跡可能であることが分かった。
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