生体膜はグリセロリン脂質からなる。そのグリセロリン脂質の中には、生理活性を持つ血小板活性化因子(PAF)なども存在する。グリセロリン脂質は一度ホスホリパーゼによって脂肪酸が切り出され、再びリゾリン脂質アシル転移酵素によって再アシル化して生合成される。この経路は、1950年代にランズ回路と名付けられた。それから約50年を経て、ようやくリゾリン脂質アシル転移酵素が複数同定され、我々も6種類同定に成功している。中にはPAFを生合成するリゾホスファチジルコリンアシル転移酵素(LPCAT)2も含まれた。LPCAT2は主にマクロファージに発現しリポポリサッカライド(LPS)刺激で活性化されることがわかった。本研究で、その活性化メカニズムはリン酸化によることがわかった。PAF生合成メカニズムに一端が解明されたことにより、新たな創薬へとつながるだろう。
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