癌抑制遺伝子Rbの上皮細胞における機能と癌の浸潤・転移機構の解析

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21790326
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 病態医化学
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 有馬 好美 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20309751)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: 癌抑制遺伝子 / Rb / 癌 / EMT / 浸潤・転移

研究概要

上皮性癌の転移は多段階のステップを踏んで成立することが知られており、癌細胞が原発巣の母集団から離れ、周囲組織へ浸潤する過程は、上皮間葉転換(EMT)という現象に起因することが近年明らかになりつつある。本研究により、癌抑制遺伝子Rbの発現減少がEMTの誘導に関与し、Rbには上皮細胞においてEMTを阻害する機能があることがわかった。Rbの不活化が、EMTを誘導することによって浸潤・転移にも影響を及ぼして癌の悪性化に関わっていると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Decreased expression of neurofibromin contributes to epithelial-mesenchymal transition in neurofibromatosis type 1 (NF1). (2010)
  • 著者名/発表者名: Arima Y, Hayashi H, Kamata K, Goto T, Sasaki M, Kuramochi A, Saya H
  • 雑誌名: Experimental Dermatology 19 ページ: e136-141
  • 査読あり
• [雑誌論文] Breast cancer stem cells. (Review) (2010)
  • 著者名/発表者名: Kai K, Arima Y, Kamiya T, Saya H
  • 雑誌名: Breast Cancer 17 ページ: 80-85
• [雑誌論文] トリプルネガティブ乳癌におけるRb不活化と上皮間葉転換について (2010)
  • 著者名/発表者名: 有馬好美、佐谷秀行
  • 雑誌名: 乳癌の臨床 Vol.25 No.6 ページ: 617-621
• [雑誌論文] 上皮間葉転換ががんの浸潤転移に果たす役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 有馬好美、神谷敏夫、佐谷秀行
  • 雑誌名: 細胞工学別冊「がん転移臨床と研究の羅針盤」 ページ: 166-169
• [雑誌論文] 神経線維腫形成の分子機構に対する新たな治療戦略の考案 (2010)
  • 著者名/発表者名: 有馬好美、佐谷秀行
  • 雑誌名: 日本レックリングハウゼン病学会雑誌 第1巻第1号 ページ: 11-15
• [雑誌論文] Maintenance of HCT116 colon cancer cell line conforms to a stochastic model but not a cancer stem cell model. (2009)
  • 著者名/発表者名: Kai K, Nagano O, Sugihara E, Arima Y, Sampetrean O, Ishimoto T, Nakanishi M, Ueno N, Iwase H, Saya H
  • 雑誌名: Cancer Science 100 ページ: 2275-2282
  • 査読あり
• [雑誌論文] 上皮間葉転換と癌浸潤転移 (2009)
  • 著者名/発表者名: 有馬好美、神谷敏夫、佐谷秀行
  • 雑誌名: 細胞工学 Vol.28 No.7 ページ: 655-658
• [学会発表] Significance of EMT in breast cancer cells (2010)
  • 著者名/発表者名: Arima Y, Saya H
  • 学会等名: 第69回日本癌学会(シンポジウム口頭発表)
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20100922-20100924
• [学会発表] トリプルネガティブ乳癌におけるRb不活化と上皮間葉転換誘導因子ZEBの発現について (2010)
  • 著者名/発表者名: Arima Y, Saya H
  • 学会等名: 第18回日本乳癌学会(シンポジウム口頭発表)
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20100624-20100625
• [学会発表] 癌におけるRb 不活化に基づく上皮間葉転換(EMT)誘導 (2009)
  • 著者名/発表者名: Arima Y, Saya H
  • 学会等名: 第82回日本生化学会大会(シンポジウム口頭発表)
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20091021-20091024
• [学会発表] 神経線維腫形成の分子機構 (2009)
  • 著者名/発表者名: Arima Y
  • 学会等名: 第1回日本レックリングハウゼン病学会学術大会(教育講演口頭発表)
  • 発表場所: 東京慈恵会医科大学
  • 年月日: 2009-11-15