MRIやFDG-PET検査といった画像診断で同定される全身動脈硬化の定量的評価において、腎動脈狭窄を有する患者では、より広範な病変を認めた。動脈硬化と関連する液性因子であるMCP-1およびインターロイキン(IL)1-βの発現は、腎動脈狭窄を有する症例において有意に亢進しており、腎動脈狭窄に関連した全身動脈硬化の進展との関連が示唆された。腎動脈狭窄に対して血管形成術を行った症例では、半年後にMRI所見の追跡を行ったが、この観察期間では動脈硬化病変の定量において有意な変化を認めなかった。腎動脈狭窄解除後には、ケモカインの発現の減少が認められ、動脈硬化症の制御につながりうると考えられた。
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