研究概要 |
統合失調症の発症におけるコピー数多型(CNV)の役割を明らかにするため,日本人の多発罹患家系を解析し,さらに罹患者と対照者の間で関連解析を行った。マイクロアレイを用いて家系を解析し,罹患者においてコピー数に偏りのあるCNVを見出した。このCNVについて定量的リアルタイムPCR法により,家系内のコピー数を確認した。罹患者5名,罹患状態不明1名において完全欠失しており,1名の罹患者では1コピーであった。非罹患者では完全欠失が見られず,2コピー2名,1コピー6名だった。しかし,同法を用いて症例627名および対照620名のコピー数を確認したところ両者においてコピー数に有意差は見られなかった。以上の結果から,本CNVが統合失調症の発症に寄与している可能性が低いことが示された。
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