本研究の目的は、ヒト全遺伝子搭載DNAチップを用いて口腔扁平上皮癌の新規転移関連遺伝子を同定し転移の診断および腫瘍の悪性度の評価を可能にすることであった。口腔組織、口腔扁平上皮癌組織、リンパ節転移組織の網羅的遺伝子発現解析によりzinc finger DHHC-type containing 14(ZDHHC14)、Spleen tyrosine kinase(SYK)等をはじめとした、75個の候補遺伝子をリストアップした。各症例に共通して発現異常が認められる遺伝子は少なくとも口腔扁平上皮癌においては50遺伝子以上は存在する可能性が示唆された。
|