成長発育期からの咀嚼変化が脳発育に及ぼす影響について

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21792096
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 矯正・小児系歯学
• 研究機関: 昭和大学
• 研究代表者: 綿引 淳一 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (60384351)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 咀嚼 / 咬合と全身への影響 / 成長発育 / 脳発育

研究概要

生後、特に離乳期以降の数週間は咀嚼機能の獲得に極めて重要な時期である。加えてこの時期は急激な脳神経発達が起る。しかしながら、離乳後の咀嚼が脳機能に与える影響は依然として不明な点が多い。本研究において我々は、マウスの行動試験と海馬の神経新生の解析を用いて、離乳後の咀嚼が脳機能に与える影響について検討を行った。その結果、通常の硬食群に比べ、軟食群が有意にプレパルス抑制試験の低下が認められた。加えて軟食群で海馬の神経新生の抑制が認められた。これらの結果から離乳後の軟食は統合失調症を含めた精神疾患に関係する可能性があることが示唆された。

研究成果

• [学会発表] Influence of Soft-diet Feeding on Hippocampal Neurogenesis in Young Mice after Weaning (2011)
  • 著者名/発表者名: Kana Ishibashi-Nose, Junichi Watahiki, Motoko Maekawa, Akiko Watanabe, Akiko Enomoto, Tomoki Nanpo, Tomohiro Taguchi, Yuta Ichikawa, Miki Ono, Koutaro Maki
  • 学会等名: 昭和歯学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-12-05
• [学会発表] Soft-diet feeding might induce mental illness in young mouse after weaning (2011)
  • 著者名/発表者名: Akiko Enomoto, Junichi Watahiki, Kana Nose, Tomoki Nampo, Yukio Matsuba, Takaomi Saidou, Takeo Yoshikawa, Youko Yamaguchi, Koutaro Maki.(以下省略全12名)
  • 学会等名: 40th international neuroscience winter conference
  • 発表場所: オーストリア・ソールデン
  • 年月日: 2011-04-01
• [学会発表] 成長発育期の軟食は精神疾患の発症リスクを高める可能性がある (2010)
  • 著者名/発表者名: 綿引淳一、榎本明子、野瀬佳奈、前川素子、南保友樹、田口智博、小野美樹、松葉由紀夫、西道隆臣、吉川武男、山口陽子、槇宏太郎
  • 学会等名: 第69回日本矯正歯科学会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20100927-29
• [学会発表] Soft-diet feeding reduces prepulse inhibition in young mice after weaning. (2010)
  • 著者名/発表者名: Junichi Watahiki, Akiko Enomoto, Kana Nose, Tomoki Nampo, Yukio Matsuba, Motoko Maekawa, Takeo Yoshikawa, Takaomi Saido, Yoko Yamaguchi, Koutaro Maki
  • 学会等名: 第33回日本神経科学学会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20100902-04
• [備考] 綿引淳一、吉川武男、山口陽子、槇宏太郎かまずに食べると孤独に? 2010年10月5日朝日新聞朝刊科学欄
• [備考] 綿引淳一、榎本明子、野瀬佳奈、前川素子、西道隆臣、吉川武男、山口陽子、槇宏太郎(以下省略全12名)大学プレスセンターサイトへの掲載幼少期の「食」の違いはその後の性格を変えるのか? 2010年9月