研究概要 |
本年度は,以下(i)-(v)の研究を行った. (i)実空間と仮想空間を跨るインタラクションを行うとき,実空間におけるユーザの行動は3次元センサによって取得するが,ジャイロセンサをはじめとする3次元センサには誤差が蓄積する問題がある.本研究では,これを解決するために,マーカーによる座標修正や固定センサから取得する参考座標を用いて誤差の修正を行う.今年度の成果として,3Dセンサの蓄積する誤差の修正に用いるマーカーや固定センサの設置位置を決めるという問題をインドアにおけるセンサ配置問題として一般化し,コスト効率の良いアルゴリズムおよびシミュレータを提案し,3本の学会発表を行った. (ii)昨年度の研究成果であるオクルージョン・コントロール手法を改良し,3Dグラフィック処理能力の低い携帯端末でも動作するような3D空間描画処理手法を提案し,論文誌に採録された. (iii)研究計画では,携帯無線端末間のアドホック通信プロトコルについて研究する予定であったが,アルゴリズムの考案・実験に時間がかかると判断し,既存研究の調査に留め,他の課題の解決に注力した. (iv)無線環境下におけるQoS制御適応機構の改良として,位置・角度による重要度の設定だけでなく,ユーザの嗜好に基づく重要度の推定の導入を目指し,部分成果として,ユーザの嗜好の推測についての問題を一般化し,アルゴリズムを提案し,3本の研究会発表を行った. (v)アプリケーションの実装については,現在,継続中であり完成には至っていない.また,Microsoft Kinectを(i)における固定センサとして用いるためにAPIを改良中である.
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