研究概要 |
従来の理論では理解できない現象の謎を解く鍵として,四極子や八極子などの多重極子の自由度が脚光を浴びている。本研究手法である共鳴X線回折法は,多重極子秩序そのものを直接観測できる唯一の実験手法である。しかし,多重極子の秩序温度はほとんどが3K以下である為に,国内での共鳴X線散乱の実験が不可能であり,これらの低温で起こる多重極子の秩序現象に対応できなかった。本研究課題は,この問題を克服し,さらに入射X線の偏光制御により外部磁場下での共鳴X線散乱実験を可能にすることで,多重極子秩序を示す典型物質の徹底的な研究を国内で初めて実現した。
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