口腔扁平上皮癌(OSCC)患者の原発巣の生検組織材料105例を用いて免疫組織学的染色により6種類のCKの発現様式を検討した。その結果、CK17が他のCK(CK14、CK16、CK18、CK19、CK20)に比較して有意に高頻度に発現していた。さらにCKの発現と癌細胞の分化度との関連を検索するために臨床病理学的所見とともにΔp63の発現様式を検索した。その結果、CK17は腫瘍の中心において高発現したのに対して、Δp63は癌胞巣や腫瘍辺縁部で最外層に高発現していた。全105例におけるCK17の発現率の平均値は中心部において有意に高かった(P<0.05)。またΔp63の発現率の平均値は中心部において有意に高かった(P<0.05)。口腔扁平上皮癌(OSCC)患者の原発巣の生検組織材料13例を用いて免疫組織学的染色によりCK17とGli2の発現について検討した。腫瘍の中心部ではCK17とGli2が共発現しており、辺縁部では主にGli2が発現していることが明らかとなった。
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