Mycobacterium aviumにおける薬剤耐性因子を特定するためにランダム変異体を作製した。その結果、薬剤耐性に関わる因子として、排出システム、代謝、細胞壁合成などに関与する遺伝子が特定された。本研究ではkasB欠損株、MAV_2241欠損株に着目し研究をすすめた。kasB欠損株およびMAV_2241欠損株は、リファンピシンやクラリスロマイシンなど多くの抗菌薬の最小発育阻止濃度(MIC)が野生株に比べ有意に低かった。さらに、界面活性剤に暴露に対する抵抗性がkasB欠損株では有意に減弱していた。M. aviumに対して新たな抗菌薬を開発する場合、細胞壁の合成に関与する蛋白が標的部位として有望であることを示唆する結果となった。
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