研究成果の概要 |
近年, テキスタイル開発の流れは高機能化・高付加価値化である。テキスタイルの要求性能のうち, 水分特性や防汚性は繊維表面の濡れ性と関係し, 主に加工剤を用いて濡れ改質が行われてきた。 本研究では, 常温大気中で表面処理が行える大気圧プラズマジェット(APPJ)を用いて, テキスタイル表面の濡れ性改質を行う。APPJは, 製造時のインライン化と超高速処理が可能で, かつ廃液が出ないという利点があり, 次世代の環境適応型表面改質手法として発展が期待されている。改質によりテキスタイルに発現される機能を特定し、高機能テキスタイルやスマートテキスタイルの基盤技術としてのAPPJの利用を提案する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
APPJ処理は材料の片面処理や部分処理が容易であり, テキスタイルの高機能化に加えてスマートテキスタイルや新規機能をもつテキスタイル開発のための有効なプロセスである。例えば、着衣による健康管理や生活の質向上を目的としたウェアラブルデバイスの装備に関しては, 繊維と導電性物質の接着性の向上が重要で、表面構造の構築による濡れ制御がキーとなる。さらに機能性材料をテキスタイルに導入する際にもAPPJ処理による繊維表面の濡れ制御が極めて有効となる。このように, テキスタイル製品の高機能化のみならず新規テキスタイル開発ための基盤技術の提案として、研究成果の社会的意義は大きい。
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