研究課題
本研究はアレルギー疾患対策を総合的に推進する中、学校の現状を把握し、罹患児と社会に対してアレルギー疾患の中核的機関となるため問題点とその改善策、学校の優位性を検討することを目的とし、1年目は以下の研究を遂行した。(1)「学校教職員のアレルギー疾患の理解の把握」アレルギー疾患罹患児の多い小・中・特別支援学校の教職員に対してアレルギー疾患の理解の現状を把握するための質問紙調査を行い、担任などを担う一般教諭は保護者との連携において不安を有している結果が示唆されてきた。(2)「アレルギー疾患研修時に使用できる教材の開発」食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、花粉症について、学校の教員等がアレルギー罹患児や健常児、あるいは保護者や教員などと連携できるためのケースを作成した。(3)「アレルギー疾患の緊急時対応能力の育成」茨城大学教育学部養護教諭養成課程3年次大学生15名を対象として講習会を行った(90分×8回)。(4)「薬学的視点から学校薬剤師と学校教員との連携」宮城県薬剤師会副会長(学校薬剤師担当)の北村哲治氏による「地域で薬剤師職能を活かす! 学校薬剤師と環境衛生について」を開催し、オンラインで薬学部の学生とともに、石原の所属する茨城大学の教育学部の学生にも配信し、学校薬剤師と学校教員との連携における課題を調査した。また、薬剤師の業務を一般の方が理解できるような双六ゲームの試作や、花粉症・食物アレルギー症候群のメカニズムを説明する教材の開発を行った。(5)「医学的視点から学校生活管理指導表の活用調査」医学的な視点から、食物アレルギーなどの管理指導表に着目し、養護教諭と保護者や医療機関(主治医)とを円滑に繋ぐ役割を担っているかを明らかにすることを目的とした。2020年度末に茨城県内の公立小中学校690校を対象にアンケート調査を行い、2021年度はその解析を実施した。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウイルス感染症の影響で学校の臨時休業やオンライン授業の実施により児童生徒への質問紙調査が実施できなかったが、そのほかは順調に進められたため。また、当初の予定以外の研究も実施できたため。
2 年目は以下の点を中心に行う。[1] 現状把握と課題の明確化 (R3-R4 年度) 小・中・高・特別支援学校に対して質問紙調査やインタビュー調査を行う。1年目に引き続き現状把握に努め問題点や課題を明確化していく。[2] 大学での教育の現状と課題の明確化 (R4 年度) 教育学部・薬学部・医学部の教育についての現状を把握し問題点や課題を明確化していく。[3] 教員に対する教材研究2 年目から 2 名の分担者を加えた。2 人には科学的な視点から教材の有用性を検討してもらう予定である。すなわち、アレルギーにかかわる書籍などの教材となるものは数多くあるものの、ほとんどは医療従事者向けであり学校の教職員向けではない。学校教職員が理解を深めようとした時に教材となるものは医療従事者向けのものと比較してどのような点を補っているものが良いのか検討する。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Auris Nasus Larynx
巻: - ページ: -
10.1016/j.anl.2022.03.009
Biochem. Pharmacol.
巻: 194 ページ: 114819
10.1016/j.bcp.2021.114819
Toxicology
巻: 453 ページ: 152723
10.1016/j.tox.2021.152723