研究課題/領域番号 |
21H01203
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
小川 奈々子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), グループリーダー (80359174)
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研究分担者 |
黒田 潤一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (10435836)
吉村 寿紘 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 副主任研究員 (90710070)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 硫黄同位体比 / 微量硫黄同位体比分析 / 炭酸置換型硫酸(CAS) / CAS弱酸性溶出法 / 硫酸ICIF法 / マイクロバライト化法 |
研究成果の概要 |
本研究は、氷期-間氷期の海洋堆積物中の有孔虫殻化石に含まれる炭酸置換態硫酸(CAS)の硫黄同位体比情報を復元し、海洋の酸化還元環境と気候変動の関連性を考察する。微量硫黄同位体比分析技術とCAS試料前処理技術の開発と最適化に注力した。この結果、百ナノモル以下の微量CAS由来硫酸を採取・単離し硫黄同位体分析に供するために、弱酸性CAS溶解法、ICFC単離法、マイクロバライト化法の3つの新しい前処理技術の開発に成功した。本研究で新規開発及び最適化した手法により得られたオントンジャワ海台堆積物中の氷期-間氷期CAS硫黄同位体比結果は、当時の海洋硫酸の硫黄同位体比に0.6‰の差があったことを示した。
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自由記述の分野 |
生物地球化学・同位体分析
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では技術的な課題の克服というアプローチで、オントンジャワ海台堆積物からの氷期-間氷期の硫黄同位体比記録の復元に成功した。世界で初となる微量同位体変動の復元データはそれ自体が今後の海洋理解のための知見として意義を持つ。 一方、硫黄同位体比は多くの研究分野で活用されているものの、分析技術の高感度化では他の元素に大きく後れをとり、これまではエアロゾル(都市域を除く)、アイスコア、隕石など試料量が限られる研究への適用が難しかった。本研究で開発・最適化した微量硫黄試料の前処理および同位体分析の新手法は様々な研究に新しい解析ツールを提供し、各分野の研究の裾野を広げる効果を有するものである。
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