研究課題/領域番号 |
21H01575
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
伊東 啓 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (80780692)
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研究分担者 |
守田 智 静岡大学, 工学部, 教授 (20296750)
山本 太郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70304970)
和田 崇之 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (70332450)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会的ジレンマ / 薬剤耐性 / 感染症 / 進化 / ゲーム理論 / AI |
研究実績の概要 |
前年度に得られた調査結果をさらに詳細に分析した。この調査では「薬剤耐性を無視し、個人の健康を優先して抗生剤の処方を決定するAI(個人型AI)」と、「世界的な薬剤耐性の脅威を考慮して抗生剤の処方を最小限に留めようとするAI(世界型AI)」の2つの仮想的なAIを想定して、これら二つのAIのどちらに普及してほしいか、8つの国・地域から回答を集めた。結果を分析したところ、回答者の多くはどちらかのAIによる統一規格化を望んでおらず、両方のAIを利用できる状況を望んでいた。そして、どちらか一方のAIだけを普及させる場合、個人型AIを選んだ回答者の方が多かった。このとき、AIの選好に関しては、統計的に有意な性差と年代差があった。これらの結果は、社会的ジレンマという倫理的な問題の存在が、医療診断AIという新たなテクノロジーが社会に普及する際の障壁になり得ることを示している。そして、薬剤耐性問題を解消する(つまり皆で少しずつ抗生剤の使用を控えるという協力行動を積み重ねる)ことが、今のところ難しいことを示している。 これらの成果は現在論文としてまとめられており、2024年度上旬に投稿予定である。 また、昨年度に論文として発表した成果(Scientific Reports 12: 21084, 2022)の内容は、計算社会科学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会、日本ソーシャルデータサイエンス学会、情報処理学会で報告した。そのうち日本ソーシャルデータサイエンス学会2024年春季研究発表会では最も優れた発表に授与される最優秀賞を受賞した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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