研究課題/領域番号 |
21H01771
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柴田 幹大 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (80631027)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 1分子イメージング・ナノ計測 / ゲノム工学 / タンパク質・酵素化学 / 1分子計測・操作 / バイオイメージング |
研究成果の概要 |
本研究は、さまざまなゲノム編集ツールCRISPR/Cas9に高速原子間力顕微鏡を適用し、RNAとの結合や標的DNAへの結合と切断を実時空間で可視化することで、Cas9タンパク質がもつDNA切断作動機構の統一的な理解を目標とした。SaCas9とFnCas9の核酸非結合状態におけるフレキシブルな構造、RNA結合状態における安定で固い2つのローブ構造、RNA-DNA結合状態におけるヌクレアーゼドメインの動きを可視化することに成功した。また、Cas9タンパク質がもつ共通の構造と異なる分子作動機構を見出し、本研究成果は、ゲノム編集ツールのさらなる高度化へ向けた基盤研究となることが期待される。
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自由記述の分野 |
ナノバイオサイエンス
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義として、ほとんどのCas9タンパク質におけるRNAの役割は、標的DNAへのガイド役だけでなく、Cas9の立体構造の安定化に重要であることを明らかにした。さらに、DNA切断時のエンドヌクレアーゼの動きは、標的DNAの方向へプレスするような動きや、ななめにスライドする動きがあり、個々のCas9タンパク質は異なる切断作動機構をもつことを明らかにした。社会的意義として、ゲノム編集ツールは現代のバイオテクノロジーの中心ともいえる存在であり、その統一的なDNA切断作動機構の理解は、ゲノム編集技術のさらなく高度化を可能にし、人類の生命科学の発展に大きく貢献できると考えられる。
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