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2022 年度 実績報告書

ナノ構造に起因する殺菌原理解明にむけた単一細胞とナノ構造界面の相互作用解析

研究課題

研究課題/領域番号 21H01773
研究機関関西大学

研究代表者

伊藤 健  関西大学, システム理工学部, 教授 (50426350)

研究分担者 岩木 宏明  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (00368200)
小嶋 寛明  国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 上席研究員 (00359077)
田中 秀吉  国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所, 室長 (40284608)
富成 征弘  国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 研究員 (90560003) [辞退]
永尾 寿浩  地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 統括研究員 (30416309)
田中 重光  地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主任研究員 (20509822)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードナノ構造 / 殺菌性 / 単一細胞 / 電気化学
研究実績の概要

近年、ナノレベルの突起物が物理的な作用により抗微生物性を発現することが知られている。ナノ構造に付着した細菌は、ナノ構造と細菌の物理的相互作用により細胞外皮が損傷し、やがて死に至ると考えられている。しかし、その詳細なメカニズムについては明らかになっていない。本研究では、メカニズムを解明するために単一細胞レベルでの評価を実施してきた。
具体的には、電気化学インピーダンス分光法(EIS)と蛍光顕微鏡観察を組み合わせることで電極表面と細胞の相互作用を単一細胞レベルで評価する技術を開発してきた。ナノレベルの構造を作製するためにEBリソグラフィによりパターニングを行い、金からなるナノ構造を形成したした。その後、同じくEBリソグラフィにより直径100マイクロメートルの凹部を形成し、この部分を測定対象液の液貯として利用した。実際に菌液を導入すると、細胞が付着することでインピーダンスが上昇することが確認された。しかしながら、凹部が大きいため、付着する細胞数が多く、インピーダンス変化と単一細胞付着の相関を算出することが難しかった。今後、凹部の直径を変更し、単一細胞の付着評価を実施する必要がある。
また、セミ翅表面への細菌の付着と溶菌についての経時変化を高速AFMを用いて評価する実験を試みた。しかしながら、カンチレバーに細菌が付着してしまい、正確な評価をすることが難しかった。今後は、カンチレバーの表面処理が必要であると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスによる共同研究先への移動が制限されたため、実験が思うように進まなかった。また、世界的な半導体不足により、AFMカンチレバーの納入が遅れるなど、実験に必要な消耗品の調達が影響した。

今後の研究の推進方策

インピーダンス計測と蛍光顕微鏡の組み合わせによる単一細胞の評価系を確立した。今後は付着する凹部の直径を数十マイクロメートルに変更することで、付着する菌数を減らし、単一細胞の付着評価を実施して予定である。また、細胞の代わりに疑似細胞であるリポソームを導入し、細菌との違いを見出すことができれば新規性があると考えている。
今後は、本研究の応用として抗バイオフィルム評価を手掛けていく。バイオフィルムは、多くの感染症を引き起こす原因とされている。また、エアコンのドレイン、配管の腐食など身の回りの生活に影響を及ぼしている。そのため、本技術により抗バイオフィルムの効果を見いだせれば、社会的な活用が見いだせると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] EISと蛍光顕微鏡の同時観察によるナノ構造上の脂質二重膜及び大腸菌の挙動評価2022

    • 著者名/発表者名
      大門柾登、清水智弘、新宮原正三、伊藤健
    • 学会等名
      第26回関西大学先端科学技術シンポジウム
  • [学会発表] ナノピラーの抗微生物評価2022

    • 著者名/発表者名
      松本叡佳、田中重光、永尾寿浩、清水智弘、新宮原正三、伊藤健
    • 学会等名
      日本防菌防黴学会第49回年次大会

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公開日: 2024-12-25  

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