研究課題
基盤研究(B)
有望な次世代蓄電技術である全固体リチウムイオン電池では、界面や粒界で生じる高いイオン伝導抵抗が実用化の妨げとなっている。イオン伝導抵抗の低減には、「界面抵抗の起源解明」、「それを可能とする界面抵抗の精密計測技術」が重要である。本研究では、ケルビンプローブフォース顕微鏡技術を基盤としたナノスケール電位計測技術を発展させ、「界面抵抗の起源と考えられている空間電荷層の精密計測」および、「単一粒界抵抗計測を実現する局所インピーダンス計測手法の開発」を行った。
走査型プローブ顕微鏡
本研究で得られた成果は電極-固体電解質界面で生じる空間電荷層に関する新しい知見を提供する。固体のイオン伝導体中で生じる空間電荷層の形成メカニズムは実験的検証が不足していることもあり、その学術的な意義は大きい。また、空間電荷層はイオン伝導の阻害要因と考えられており、全固体電池における界面抵抗の起源解明のための一つの知見を提供する。そのため、全固体電池開発において、界面抵抗低減のための界面設計・構造制御技術開発の一助となり得る。