配位高分子のガラス相に関する研究が近年盛んに行われているものの、融液状態についての解析は皆無に等しく、その構造がガラス状態と類似しているのか、あるいは金属と配位子が解離しているのかなどの知見が欠如していた。このことは、配位高分子を機能性材料として設計する上で大きな障壁となっていた。本研究では、配位高分子の融液の多くがネットワーク性を有していることを明らかにし、分子構造のみならず、ファイバーや膜などのマクロ成形加工に関する重要な知見を提供した。これらの結果は、配位高分子ガラスや融液を利用した分離や伝導などの機能性材料へと発展させていく上で、非常に重要な指針となるものである。
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