研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全ての元素の系統的理解には重元素の理解が必要である。ただし、短寿命の重元素の今すぐの社会的利用は難しい。しかし、重い元素の理解が進むことによる社会への還元は小さくない。例えば、第5、6周期元素(Ru, Pd, Ir, Ptなど)の有機錯体や合金、触媒の利用が増えており、新しい物性を持つ物質の普及が社会を大きく変えている。ウランなどの工業利用も実は多い。そのような“少し”重い元素においても相対論効果自体の影響は無視できない。元素の完全な理解に不可欠な相対論効果の理解が進めば、すぐに相対論効果の小さい少し重い元素のより完全な理解、そして物質社会への貢献にもつながっていく。
|