2023 年度研究成果報告書

機能性材料を指向したPreyssler型タングステート自在合成法開発

研究課題

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研究課題/領域番号	21H02028
研究種目	基盤研究(B)
配分区分	補助金
応募区分	一般
審査区分	小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
研究機関	広島大学
研究代表者	定金正洋広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10342792)
研究期間 (年度)	2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード	ポリオキソメタレート / Preyssler / リンタングステート
研究成果の概要	Preyssler型タングステートという空洞を持つ分子に関して、以下の成果をあげた。 (1)SrやBaを内包した新しい化合物の合成に成功した。また、Naが分子空洞内を移動する現象を見出した。(2)分子骨格中のタングステンをモリブデンに置換した化合物の合成に成功し論文を発表した。(3)単離収率をこれまでの30%程度から45%程度にまで上げた。(4)合成した化合物がウイルスの観察用の染色剤として優れていることを見出し、論文として発表した。
自由記述の分野	無機化学
研究成果の学術的意義や社会的意義	Preyssler型タングステートは円盤状のアニオン性分子でその分子内に空洞を持つ。水溶液中で安定であることに加え対カチオンとしてプロトンを持つものは強酸性を示す。そのため酸触媒として工業的に有用な化合物である。また、空洞内に含まれるイオンが移動することにより次世代のメモリ材料として期待されている。空洞内にこれまでにないイオンを導入した新しい化合物の合成やイオンの移動挙動の解明は新しいメモリ材料開発に有用であり学術的意義は大きい。加えてこの分子がコロナウイルスなどのウイルスの観察に役立つ事が分かったので社会的意義は大きい。