近年、栄養学に体内時計の概念を導入した“時間栄養学”は、既存の栄養学に再発展をもたらしている。ここでは、神経・感覚系疾患(主に難聴)をモデルとして、聴覚機能や音響ストレスによるダメージには、時刻依存性が存在することを示した。また、高脂肪食による難聴抑制モデルにおいては、高脂肪の朝摂取も夕摂取も同等に難聴予防効果を示し、時刻依存性は認められなかったが、夕摂取では肥満が誘導されるのに対し、朝摂取では肥満にはならないことから、全身の健康を考えた場合は、朝摂取が効果的であることが示された。また、Nアセチルシステインについては、朝に摂取することで、効果的に難聴を抑制できることが示唆された。
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