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2023 年度 研究成果報告書

イネ紋枯病の病原性機構解明 -感染初期における活物寄生ステージの存在証明-

研究課題

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研究課題/領域番号 21H02197
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分39040:植物保護科学関連
研究機関岡山大学

研究代表者

能年 義輝  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (70332278)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード紋枯病 / リゾクトニア病 / 感染生理 / ミナトカモジグサ / 殺生寄生 / 活物寄生 / エフェクター
研究成果の概要

植物病原糸状菌Rhizoctonia solaniは、様々な植物に感染して甚大な農業被害をもたらす。植物病の克服には感染生理の理解に基づいた防除策の構築が必要である。我々は本菌が単子葉植物の葉では生きた宿主から栄養を摂取する活物寄生を行う状況証拠を得ており、今回、本菌が宿主免疫の抑制能を持つエフェクター(小型分泌タンパク質)を有することを示した。また、本菌はシロイヌナズナ(双子葉植物のモデル)にも感染することを見出し、各種植物ホルモンによる誘導抵抗性実験から、その感染過程では殺生寄生のみが行われていると推測された。本菌は異なる宿主を見分け、異なる感染機構を発動する能力を持つことを明らかにした。

自由記述の分野

植物病理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

R. solaniは菌糸融合反応や培養菌叢から分類される様々な系統を含む種複合体だが、それら分類と病原性に相関がないことが、本研究からも示された。おそらく気温や土壌成分などの環境要因が適合した場所で増えた菌株が病気を引き起こしていると考えられる。ただし宿主や組織特異性も存在するため、それらは生理学的・ゲノム科学的な比較解析で明らかにする必要がある。少なくともイネなどでは活物寄生を行うことから、そこを標的とした防除法を検討する道が拓かれた。同じ菌株でも宿主により感染機構を使い分ける事実は本菌の感染機構の複雑性を示しており、その背景の解明は植物病理学・微生物学・進化学における学術的価値を有する。

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公開日: 2025-01-30  

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