研究課題/領域番号 |
21H02409
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村田 武士 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (80415322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | V-ATPase / 分子モーター / 構造解析 / イオン輸送 / 分子メカニズム |
研究実績の概要 |
V-ATPaseは、ATPの加水分解エネルギーを回転運動に変換するV1部分と、その回転運動をH+(またはNa+)の濃度勾配エネルギーに変換するVo部分から構成される回転分子モータータンパク質/イオンポンプである。最近我々はクライオ電子顕微鏡を用いて、抗菌剤が結合した腸球菌V-ATPase全複合体の密度マップを得ることに成功した。本年度は、抗菌剤が結合した腸球菌V-ATPase立体構造を決定し、得られた構造情報から抗菌剤結合に重要と考えられる残基の変異体の作製を行なった。以下に得られた成果について記載する。 腸球菌V-ATPaseの構造解析---加速電圧300 kVのTitan Kriosを用いて抗菌剤存在下で腸球菌V-ATPaseのクライオ電顕単粒子解析を行なった。Vo部分にマスクをかけて解析することにより、抗菌剤が結合したVo部分の立体構造を分解能2.8 Aで決定することに成功した。また、溶媒マスクをかけて多様なクラス分けを検討し、各クラスで精密化を行うことにより、5つのV-ATPase全複合体構造に分離することに成功した。現在、それぞれの立体構造解析を進めている。 腸球菌V-ATPase変異体の機能解析と構造解析---得られた知見から抗菌剤結合に関係する重要残基の変異体を3種類作製した。これらの変異体を大腸菌を用いて大量発現し、各種カラムを用いて精製した。現在、各種条件下でのATPase活性の変化を調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に従って、抗菌剤が結合したVo部分の立体構造を決定することに成功し、得られた知見から抗菌剤結合に関係する重要残基の変異体を作製するに至ったため、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に従って、各研究項目を継続することにより、本酵素におけるNa+輸送メカニズムおよび抗菌剤によるNa+輸送阻害メカニズムを解明する。
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