Nタンパク質を高度に精製する方法を確立し、ステムループ構造と一本鎖構造を持つRNA断片とNタンパク質の相互作用を調べた。その結果、Nタンパク質はRNAの二次構造に関係なく強く結合し、ふたつのRNAフラグメントを引き寄せることが明らかになった。この結果は、Nタンパク質の機能は3万塩基ものgRNAの二箇所を手繰り寄せて架橋することで、gRNAをコンパクトに保つことであることを示唆する。長鎖RNAの構造を調べるために、蛍光相関分光法や一分子蛍光分光法を用いる実験手法を確立した。600塩基や800塩基の長鎖RNA試料が、Nタンパク質との結合でコンパクトに変化することを示した。
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