パルス電子顕微鏡による非凍結溶液構造動態の高分解能観察を行うための溶液セルの改良と、それを用いた通常電子顕微鏡による観察を行った。いままで開発してきた溶液セルに金の60 nm厚のスペーサー、中央部に液だめを導入。これらにより、溶液観察の安定性が格段に向上した。また、観察窓に従来使われてきた窒化ケイ素の代わりに窒化炭素を用いたものも作製。窒化ケイ素で見られた非特異的な吸着を大幅に抑えることに成功した。これらの溶液セルを用いて、エマルジョン内の脂質液滴の融合や高速でブラウン運動する金コロイドを撮影することに成功した。安定した温度コントロールの方法も開発できた。
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