研究課題
基盤研究(B)
バクテリアのべん毛モーターの固定子PomAB複合体の「回転モデル」を実証することを目的とし、光学顕微鏡を用いた1分子計測に適用可能なガラス基板固定タグ、金ナノ粒子プローブ結合タグを持つ変異体の作製を達成した。さらに、PomBのプラグ領域にシステイン変異を導入することで、PomAB複合体によるNaイオン輸送の低分子化合物による可逆的な活性化を達成した。本研究成果は、バクテリアのべん毛を固定子複合体が回転させて推進力を発生する仕組みの理解に向けた重要な一歩と考える。
生物物理学
べん毛モーター固定子複合体の構造から提案された「回転モデル」がもし正しい場合、マクロな人工機械で汎用されているトルク増大機構である「減速機」をナノサイズの回転分子モーターも持っていることになり、べん毛モーターが非常に大きなトルクを発生できる仕組みが明らかとなる。また、スケールが大きく異なるナノモーター、マクロモーターが持つ仕組みの共通性や独自性を明らかにすることで、これまでない人工モーターの創製が可能になると期待される。