従来、左巻き個体からなる陸貝種の祖先は、右巻き野生型との交配が困難で繁殖に不利な突然変異として右巻き集団中に出現したと考えられてきたが、左巻き種の祖先は右巻き野生型に対し、交配可能でほぼ中立な突然変異として集団中に出現し、二型として存続したのち右巻きとの交配が困難になったという独自のシナリオを提案することができた。またこれに生態学的な気候が関わることも示せた点で生態学的な意義も大きい。この仮説を裏付けるミクロの機構は、今回実証できなかったが、そのベースとなる全ゲノムのアセンブルに成功し、アノテーションが進んだため、今後この問題を解決し、生物学の幅広い領域にインパクトを及ぼすと期待できる。
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