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2023 年度 研究成果報告書

左右反転の謎を解く:キラルな陸貝をモデルとして

研究課題

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研究課題/領域番号 21H02556
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分45040:生態学および環境学関連
研究機関東北大学

研究代表者

千葉 聡  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (10236812)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード多様性 / 軟体動物 / 生態
研究成果の概要

BradybaenaとEuhadraの全ゲノムデータを得てアセンブルを行った。前者の総塩基数は1.9Gbであり、さらに染色体レベルのアセンブルを行った。E. quaesitaの左巻き集団と右巻き集団の生殖的隔離の状態は、異なるレベルがあることが推定された。両者間で遺伝子流動に障壁がない場合、変異間の交雑のほか、遅滞遺伝の効果も大きいと考えられる。Aegistaでは韓国で右巻きから左巻きの系統が進化したことが示され、Bradybaenaは中国で左巻きが繰り返し独立に生じたことが推定された。E. quaesitaの左巻き個体と右巻き個体は、交雑しない場合、形とニッチ利用が分化していた。

自由記述の分野

生態学

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来、左巻き個体からなる陸貝種の祖先は、右巻き野生型との交配が困難で繁殖に不利な突然変異として右巻き集団中に出現したと考えられてきたが、左巻き種の祖先は右巻き野生型に対し、交配可能でほぼ中立な突然変異として集団中に出現し、二型として存続したのち右巻きとの交配が困難になったという独自のシナリオを提案することができた。またこれに生態学的な気候が関わることも示せた点で生態学的な意義も大きい。この仮説を裏付けるミクロの機構は、今回実証できなかったが、そのベースとなる全ゲノムのアセンブルに成功し、アノテーションが進んだため、今後この問題を解決し、生物学の幅広い領域にインパクトを及ぼすと期待できる。

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公開日: 2025-01-30  

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