研究課題/領域番号 |
21H02572
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
古市 剛史 京都大学, 野生動物研究センター, 特任教授 (20212194)
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研究分担者 |
戸田 和弥 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 日本学術振興会特別研究員(PD) (20881931)
橋本 千絵 京都大学, 野生動物研究センター, 助教 (40379011)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メスの集団間移籍 / 性的発達 / 身体的発達 / ボノボ / チンパンジー / 繁殖戦略 |
研究実績の概要 |
出生時の分散は動物のライフヒストリーにおける節目であるが、そのタイミングは発達の軌跡において異なると考えられる。Pan属の2種チンパンジーとボノボはメスが出自集団を出て他の集団に移入する形でメスの移籍が行われるが、ボノボのメスは、チンパンジーよりもかなり早い時期に移籍することが知られている。そこで本研究では、ボノボのメスにおける性的膨張の発達、行動、ホルモンの関係を明らかにし、メスの移籍の近接的要因とチンパンジーと移籍の時期が異なる原因を調べることを目的とした。コンゴ民主共和国のワンバに生息する野生のボノボの集団のメス14頭から、尿中のエストロン結合体(E1C)とプレグナンジオールグルクロニド(PdG)の濃度を測定するとともに、オスとの交尾行動を記録した。ボノボのメスは分散が近くなる時期に性皮(小陰唇と陰唇周囲)の腫脹を示したが、性成熟には至らなかった。尿中E1C濃度と交尾の頻度は移出前にわずかに増加し、移籍後に大きく増加した。ホルモンプロファイルから示唆される排卵兆候や妊娠兆候は、分散後1~2年経たないと検出されなかった。これらの結果から、ボノボのメスが排卵周期が確立する前の思春期早期の段階で移籍すること、早い時期に移籍することで生殖を開始するまでに新しい集団に慣れるかより繁殖に適した集団を見つけたりするために十分な時間をかけるという繁殖戦略をとっていることが推測された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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