研究課題/領域番号 |
21H02675
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐邊 壽孝 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 客員教授 (40187282)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ARF6 / AMAP1 / 癌悪性度進展 / 癌免疫回避 / ケモカイン / 癌微小環境 / 腫瘍浸潤細胞 |
研究成果の概要 |
上皮間充織形質転換等に連動して細胞運動性を制御するARF6-AMAP1経路の活性制御は、異なる種類のケモカインを発現することを見出した。本研究では、『ある種の細胞は、ARF6-AMAP1経路に応答して、同一刺激に対し発現するケモカインの種類を炎症促進性から抗炎症性へと変換することができる』と仮説立て、分子的詳細と生物学的意義を明らかにすることを目的とした。我々は、抗炎症性ケモカイン発現に関わる主な転写因子を同定し、ARF6-AMAP1経路と相まって制御されること、その制御に張力応答を担う因子が関与することを見出し、本経路は微小環境張力に応答してケモカインの種類を変換している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
分子細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、EMT癌細胞におけるケモカイン発現はIFNγなどの刺激のみに制御されるのではなく、同一細胞が同一刺激に対して、炎症促進性と抗炎症性のケモカイン発現を仕分けることを見出した。その機序として、幾つかの転写因子の核内移行や核内存在量・活性は、IFNγ刺激とARF6-AMAP1経路の活性化・不活性化とが相まって制御されている可能性を示した。これらの知見は、EMTを起こしていない上皮細胞などでは、刺激に応答して炎症促進的ケモカインを発現することがdefault状態であることが推察され、未知の細胞可塑性や遺伝子発現制御の新しい概念を提供し、生物学・医学の発展に貢献することが期待される。
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