急性腎傷害等の組織傷害時には上皮細胞の極性が失われ、再生時には上皮細胞は再極性化することが知られている。また、がん細胞(がん細胞は上皮細胞由来)は転移する時に極性を失い、転移した場所でがん細胞は再び極性化すると考えられている。本研究は、上皮細胞の再極性化の分子機構の一端を明らかにしたものであり、その成果は、急性腎傷害等の病態の理解、がん細胞の転移機構の解明において、さらには新たな治療法を開発する上でも大きく貢献すると期待される。また本研究は、肝細胞の機能に必須である細胞極性形成の分子機構も明らかにしており、その成果は、肝臓における種々の病態の理解を深める上で有用だと考えられる。
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