サイトカインにより惹起する自然リンパ球による炎症反応の収束にサイトカインデコイが寄与する可能性を解析するためシングルセルRNAシークエンスを行ったところ、ILCの活性化を誘導する上皮系細胞が主にそれぞれのサイトカインデコイを発現することを見出した。さらに、IL-33は、ILC2炎症反応を誘導するとともに、IL-33デコイの可溶性ST2産生を誘導した。可溶性ST2の産生は、IL-33を発現する肺胞上皮細胞に加え、IL-33の標的細胞であるマスト細胞、ILC2から見られたことから、ILC炎症の誘導と同時にサイトカインデコイによる炎症反応の収束機構が発動する負のフィードバック機構が明らかとなった。
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