造血幹細胞は移動能を持つことを特徴とする。また、MDS/MPNでは異常造血幹細胞が正常造血幹細胞にとってかわっていく。これを造血幹細胞の移動能の観点から解析した研究はない。造血幹細胞のダイナミックな移動を制御する多細胞間ネットワーク構成要素を同定し、疾患への応用で病態を理解することを目的とした。 正常造血幹細胞の骨髄からの動員においては、赤芽球が産生するFGF23と増幅された好中球PPARδが、造血幹細胞の移動能を大きく規定していた。これらの因子を介するシグナルリレーがMDS/MPNにおいてどう働いているかについて各種組織特異的遺伝子改変マウスを作成し、現在も解析中である。
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