ミトコンドリアは、細胞内のエネルギー産生を担い、細胞の恒常性維持に重要な役割を果たす細胞小器官である。骨格筋におけるミトコンドリアの量や機能の低下は、筋萎縮や代謝疾患などの病因となるため、その改善が求められている。特に、運動やトレーニングによるミトコンドリア機能の向上が効果的であるとされているが、その分子メカニズムは未解明な点が多い。我々は、lncRNAである2810030D12Rikに注目し、ミトコンドリア機能の新規制御機構を検討した。2810030D12Rikは、電子伝達系の呼吸鎖複合体IVの活性を向上させることを通してミトコンドリア機能を負に制御する因子であることが明らかとなった。
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