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2021 年度 実績報告書

交代制勤務耐性に関わる生理学的基盤とその耐性の増強可能性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21H03373
研究機関東京大学

研究代表者

東郷 史治  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (90455486)

研究分担者 石渡 貴之  立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (40435235)
吉崎 貴大  東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (50732830)
小松 泰喜  日本大学, スポーツ科学部, 教授 (80436451)
緒形 ひとみ  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (80455930)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード交代制勤務 / 心身の健康 / 睡眠 / 栄養 / 概日リズム
研究実績の概要

夜勤/交代制勤務シミュレーション実験の準備を進め予備実験を実施した。具体的には、感情の制御に関わる脳内部位の反応特性(高カロリー食物、甘い食物の画像に対する反応)を評価するための食物画像呈示タスクのプログラム(パーソナルコンピュータ版)を作成するとともに、認知課題実施時に脳波を記録し、画像呈示時に生じる事象関連電位を計測した。また脳内のセロトニン低下を促す可能性がある飲料の作成を進めた。動物実験では、交代制勤務動物モデルを同時に複数作成するシステムを構築した。具体的には、床面の上を左右に移動するバーを設置し、そのバーを左右に常時移動させることで、動物を強制的に覚醒させることができるケージを複数同時に制御できるシステムを構築した。その上で、日勤条件日(暗期12時間中バーの移動有り6時間、明期12時間中バーの移動無し12時間)、夜勤条件日(暗期12時間中バーの移動無し12時間、明期12時間中バーの移動有り6時間)、休日(暗期でバーの移動無し12時間、明期でバーの移動無し12時間)を設定し、Wistar系雄ラットで交代制勤務動物モデル4匹、日勤動物モデル4匹、コントール動物モデル4匹を作成した。交代制勤務動物モデルでは、日勤条件4日、夜勤条件1日、休日1日、日勤動物モデルでは日勤条件5日、休日1日、コントール動物モデルでは休日6日のセットをいずれも2回繰り返した。ラットには、腹腔内に深部体温、活動量、心電図を計測する小型機材を埋め込み、実験期間中のそれぞれのデータを計測した。また実験期間の終了後に、抑うつ/不安行動特性を定量化するためのテスト(オープンフィールドテスト)、脳内の神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン等)をホモジネートを用いて計測した。なお交代制勤務動物モデル2匹について、夜勤条件開始前に脳内のセロトニン低下を促す可能性がない飲料を経口投与した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在までに、夜勤/交代制勤務シミュレーション実験で使用する食物画像呈示タスクプログラムの作成、脳波計測、脳内のセロトニン低下を促す可能性がある飲料の作成を進めることができた。一方で、感染症対策に関わる測定対象者の移動制限等、また機材使用の制限により、夜勤/交代制勤務シミュレーション実験は予備実験までの実施にとどまった。動物実験については、交代制勤務動物モデルを作成するシステムを用いて、交代制勤務動物モデル、日勤動物モデル、コントロール動物モデルをそれぞれの条件下で作成し、脳内神経伝達物質や行動特性について計測を実施することができた。また、夜勤条件開始前に飲料を経口投与するプロトコルを用いてデータを取得できることを確認できた。

今後の研究の推進方策

夜勤/交代制勤務シミュレーション実験を実施する。各実験では、まず調査参加希望者(夜間に働いていない大学生等の健常成人)に対して、セロトニントランスポーター遺伝子多型判定を実施する。その後、対象者として各多型(LL/LS/SS型)につき10名を選定する。各シミュレーション実験での模擬夜勤日には、脳内のセロトニン低下を促す可能性がある飲料または低下を促す可能性がない飲料を日常的な就寝時刻の5時間前に摂取させる。その後、夜勤シミュレーション実験では、明環境下(100 lux)または暗環境下(1 lux以下)で、日常的な就寝時刻の4時間前から1時間後まで、1時間ごとに唾液、血液を採取し、メラトニン濃度等を計測する。交代制勤務シミュレーション実験では気分、疲労、眠気等の自覚症状、食事、睡眠、身体活動を含む生活行動、体温、食物画像呈示タスク実施時の脳波等を計測する。動物実験では、交代制勤務動物モデル、日勤動物モデル、コントール動物モデルを作成し、交代制勤務動物モデルについては、夜勤条件開始前に脳内のセロトニン低下を促す可能性がある飲料または促す可能性がない飲料を経口投与する。実験期間の終了後に、抑うつ/不安行動特性を定量化するためのテスト(オープンフィールドテスト)、脳内の神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン等)をホモジネートを用いて計測する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Interactive effects of job stressor and chronotype on depressive symptoms in day shift and rotating shift workers2022

    • 著者名/発表者名
      Togo, F., T. Yoshizaki, T. Komatsu
    • 雑誌名

      Journal of Affective Disorders Reports

      巻: 9 ページ: 100352

    • DOI

      10.1016/j.jadr.2022.100352

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Objectively measured chronotype and social jetlag are associated with habitual dietary intake in undergraduate students2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshizaki,T., F. Togo
    • 雑誌名

      Nutrition Research

      巻: 90 ページ: 36-45

    • DOI

      10.1016/j.nutres.2021.04.003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 運動習慣の精神的健康への影響2021

    • 著者名/発表者名
      金鎭赫、東郷史治
    • 雑誌名

      精神科

      巻: 39 ページ: 630-636

  • [学会発表] 青少年の社会的時差ぼけと不安・抑うつに関するシステマティックレビュー2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木太朗、東郷史治
    • 学会等名
      第15回日本不安症学会学術大会
  • [学会発表] Association between robustness of 24-hour pattern of sleep/wake, energy intake, and interstitial glucose level over seven days among young adults2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshizaki, T., K. Konishi, F. Togo
    • 学会等名
      22nd IUNS-ICN International Congress of Nutrition
    • 国際学会
  • [学会発表] 思春期の子どもにおける睡眠時間とSNS使用時間が抑うつに与える影響の検討~Isotemporal Substitution Modelによる置き換え効果~2022

    • 著者名/発表者名
      本多正理佳、松隈誠矢、東郷史治
    • 学会等名
      日本睡眠学会第47回定期学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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