Wi-Fi電波を用いた環境非依存な行動認識のため、Wi-Fi ToA(Time of Arrival)を用いた、Wi-Fi端末(スマートフォンなど)間の物理的距離を推定する手法を開発した。本研究では、環境に設置されたAPと各端末間で計測されたToAを利用して、グラフニューラルネットワークにより端末とAP間の地理的関係性を捉える。本成果は情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会で発表し、学生発表奨励賞など2件の賞を受賞した。本成果をまとめた論文は、モバイルコンピューティングに関する国際論文誌に投稿予定である(2024/05に投稿)。 また、環境非依存なコンテキスト情報として、Wi-Fi CSIデータから深度画像を生成する手法を開発した。Teacher-student学習の枠組みを用いて、深度カメラから得られた深度画像の潜在表現を、CSIデータが模倣することで、深度画像を生成する枠組みを構築した。本成果は情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会にて発表を行い、学生奨励賞を受賞した。本成果をまとめて、ユビキタスコンピューティング分野のトップ国際会議に投稿する予定である。 さらに、環境非依存なコンテキスト情報として、Wi-Fi CSIデータから無線デバイスからの電波の到来角を推定する手法を開発した。成果をまとめて国内論文誌に投稿中であり、現在は条件付き採録の状態にある。 さらに、これまでに開発した手法の派生的な研究として、Wi-Fi端末が撮影した画像とWiFi信号を用いて、屋内位置推定システムを容易に構築する手法を提案し、当該分野の代表的な国際雑誌であるElsevier Pervasive and Mobile Computingにその成果を発表した。
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