研究課題/領域番号 |
21H03566
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
植木 賢 鳥取大学, 医学部, 教授 (60542256)
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研究分担者 |
近藤 克哉 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00295750)
藤井 政至 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (40762258)
磯本 一 鳥取大学, 医学部, 教授 (90322304)
上原 一剛 米子工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10324998)
高橋 洋一 鳥取大学, 医学部, 助教 (40594271)
三好 雅之 鳥取大学, 医学部, 助教 (60632966)
古賀 敦朗 鳥取大学, 研究推進機構, 准教授 (90563891)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大腸内視鏡 / シミュレータ / 圧力検出機能 / 画像解析 / 手技の定量化 / 音声指導 |
研究実績の概要 |
これまで、内視鏡の押圧力が3kg/cm2を超えると大腸に穴があくことが報告されていたが、大腸内視鏡検査において初学者および専門医における押圧力の差や医師の姿勢を調べた報告は無かった。本研究では、内視鏡の押圧力と医師の姿勢分析を組み合わせた世界初の大腸内視鏡シミュレータを開発する。3年間の研究期間において以下の(A)、(B)、(C)を計画している。 (A)内視鏡用シミュレータロボット“ミコト”を基盤に、画像解析機能を備えた大腸用モデルを作製 (B)学習者と指導医の会話をジェファーソン会話分析に沿って記録する言語解析ツールを開発 (C)挿入状況に応じ自動音声で指導を行う大腸内視鏡シミュレータを用い、臨床試験により、初学者とベテラン医師の手技を比較し、内視鏡操作の習熟度に関する指標を作成 初年度である2021年度は、(A) これまで開発に成功した押圧値を定量化できる上部消化管用シミュレータロボット“ミコト”を基盤に、医師の操作情報や内視鏡の挿入長、捻り角度、アングル操作、検査者の顔表情など、画像解析機能を備えた大腸用のモデル(特許出願番号:特願2019-101754.発明者:鳥取大学 植木、藤井他)を作製した。特に腸管が伸展しやすいS状結腸において、内視鏡の挿入状況を正面および側面方向からの画像解析により客観的に認識できる設計を行なった。さらに、閾値を設定し、S状結腸の伸展に対し、「内視鏡を引いて」と音声で知らせるシステムを開発した。また(C)に関し、初学者とベテラン医師の手技の画像による比較のため、ビデオ映像から医師の立体的な動きを推定し、その操作特徴の違いを抽出するアルゴリズムを作成した。抽出精度の改善のため特徴量の再定義など改良を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、3年間の研究期間において(A)、(B)、(C)の3項目を企画しており、計画通り初年度の内容である(A)内視鏡用シミュレータロボット“ミコト”を基盤に、画像解析機能を備えた大腸用モデルの作成を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
(B)学習者と指導医の会話をジェファーソン会話分析等に沿って記録する言語解析ツールを開発するため、指導環境における声かけや会話分析方法に関する研究を進める。また、(A)大腸内視鏡シミュレータについて、より学習効果の高いシステムの開発を継続する。
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