研究課題
近年、大腸がんの患者は増加しており、内視鏡検査の重要性が高まっている。しかし、検査における最大の問題点は、内視鏡の操作が難しく、腸に穴があく危険性があることである。腸に穴があくと、患者が命を落とすことさえある。ところが、現在は検査者の技量を評価する手段がないため、未熟な医師であっても検査を行っており、医療事故を起こす危険性がある。そこで本研究では、これまでに開発した内視鏡にかかる押圧力を評価できるシミュレータロボットを基盤として、新たな機能を搭載した次世代モデルを研究・開発し、検査者の自主学習を可能にする。具体的には、操作中の画像ならびに音声を記録する機能を開発し、押圧力や画像情報、挿入状況等に応じて自動音声による挿入案内や指導を行うとともに、技能の客観評価ができるシステムを開発した。最終年度では、これまでの研究成果を踏まえ、新たな大腸内視鏡シミュレータ ミコトを2023年6月15日に製品化、上市した。また、初学者および専門医の手技の習熟度を定量化するため、試験を実施した。手技の上達度だけでなく、音声と画像の記録により、学習者の理解度を深めるとともに、IoTデバイスとして世界中からの手技データを収集できる新たなシステムを構築した。さらに、海外の学会等で製品の展示と使用感の体験により、120台以上の受注を受け、活用が始まった。本シミュレータは医師の手技を定量化しフィードバックすることによって教育効果を高めるだけでなく、専門医認定において達成すべき要件を明確化することが期待でき、2024年度の多施設共同研究へと計画を進めている。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023
すべて 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)