研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来型スピントロニクスにおいて、これまでは電圧測定に限られることが多数であった。今回の成果によってスピントロニクスにおける微視的知見に基づくアプローチが確立され、今後は磁気励起情報に基づく高効率スピン流伝播物質の選定が進むことが想定される。また、カイラリティ等の高次スピン自由度に基づく物性は磁性研究の分野で注目されているが、実験的傍証に留まっている。今回の実験でスピン空間における異方性や(Q, E)分解した情報を理論計算と合わせることで、より直接的な証拠を得るに至った。本研究で実証した新偏極中性子散乱手法は微視的視点から電子自由度の理解を深め、他の自由度への応用でも一定の波及効果が期待される。
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