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2023 年度 研究成果報告書

偏極中性子散乱を主軸とした従来型スピントロニクスの微視的理解と次世代型機構の確立

研究課題

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研究課題/領域番号 21H03732
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分80040:量子ビーム科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

南部 雄亮  東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (60579803)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード物性実験 / 偏極中性子散乱 / スピントロニクス / フラストレート磁性
研究成果の概要

本研究では以下のテーマを推進した。(1)中性子偏極補正の解析表現を導出し、Y3Fe5O12のデータについて補正を実証した。また、Tb3Fe5O12の実験から物質の磁気励起分散と温度変化およびマグノン極性の情報からスピン流の温度変化が予言可能であることを示した。(2)反転対称性の無いSr2MnSi2O7のゼロ磁場、有限磁場下での磁気構造を同定し、非弾性散乱から相互作用定数を決定し、マグノン極性の証拠を得た。(3)三角格子磁性体NiGa2S4について、偏極中性子散乱からベクトルカイラリティ渦の凝集転移の証拠を得た。また、FeGa2S4について磁気揺らぎ時間の温度依存性を13桁に渡って追跡した。

自由記述の分野

物性物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来型スピントロニクスにおいて、これまでは電圧測定に限られることが多数であった。今回の成果によってスピントロニクスにおける微視的知見に基づくアプローチが確立され、今後は磁気励起情報に基づく高効率スピン流伝播物質の選定が進むことが想定される。また、カイラリティ等の高次スピン自由度に基づく物性は磁性研究の分野で注目されているが、実験的傍証に留まっている。今回の実験でスピン空間における異方性や(Q, E)分解した情報を理論計算と合わせることで、より直接的な証拠を得るに至った。本研究で実証した新偏極中性子散乱手法は微視的視点から電子自由度の理解を深め、他の自由度への応用でも一定の波及効果が期待される。

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公開日: 2025-01-30  

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