脳オルガノイドは多能性幹細胞が自己組織的に三次元構造化した多細胞集団であり、発生過程を模倣した脳組織モデルとして発生・進化など学術研究や、再生医療や病態研究など応用研究に広く活用されている。大脳オルガノイドでは発生で見られる一連の素過程が再現されうるのに対し、小脳オルガノイドにおいては未だ組織構造の形成・成熟が不十分であり、既報の培養技術では胚子期後期相当の組織構築の再現にとどまる。本課題では、多能性幹細胞の自己組織化能の誘導・促進と細胞のアセンブルを組合せ、より高度な小脳オルガノイドモデルを創出することを目的とし、ヒト小脳研究の新規モデルに寄与することを目指した。
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