研究課題/領域番号 |
21H04391
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
増田 知子 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10183104)
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研究分担者 |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (90183029)
佐野 智也 名古屋大学, 法学研究科, 特任講師 (30419428)
松本 朋子 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 講師 (50783601)
趙 テキ 名古屋大学, 法学研究科, 研究員 (90825770) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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キーワード | 富裕層 / 人事興信録 / 階級 / 軍閥 / 大正デモクラシー / 歴史情報データベース |
研究実績の概要 |
1 増田は、11月に開催された第24回図書館総合展・国立国会図書館主催フォーラム「#NDL全文使ってみた~「次世代デジタルライブラリー」&「NDL Ngram Viewer」」のパネリストとして参加し、近代文献資料の全文テキスト化の先駆である、『人事興信録』データベース化事業とその分析をふまえた報告を行った。 2 戦前期のエリート層は明治維新以前とどれほど隔絶し、あるいは継続していたのかについては、一定の研究があるものの、全容はまだ解明されていない。岡崎と松本は、明治維新のいくつかの局面におけるエリート社会の流動性を『人事興信録』データベースを用いて明らかにすることで、体制変動が社会的流動性に及ぼす影響について、明治維新を事例として示す研究論文“Elite mobility and continuity during a regime change”を執筆し、British Journal of Sociologyから出版した。 3 戦前期の個人主義からの転換について、その転換の時期を明らかにするため、松本は戦前日本の新聞テキストデータを入手し定量解析を行うことで、日本のメディアが海外への関心を低下させた時期を特定する共同研究を遂行している。この研究の中間的成果を日本政治学会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1 『人事興信録』の連続した変化を捉えるために、まだデータ化していない第五版、第六版のテキストデータ化を完了し、データベースへの格納を完了した。第十一版のテキストデータ化の準備作業にも着手した。 2 これまで、『人事興信録』データベースについては、プレーンテキストからデータ抽出していたが、XMLデータ化しタグを手がかりにデータ抽出できるようにした。これにより、今後の研究データの再利用の可能性も高まった。 3 『人事興信録』は、従来からレファレンス資料として広く利用されており、検索データベースとしての需要も高い。そこで、研究成果の一部として、「『人事興信録』データベース」初版・第四版・第八版の一般公開を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
・3年目の2023年度は、昨年度の「人事興信録」データベース作成の進捗状況をふまえ、主に1930年代のデータベースの整備を進める。 ・立法過程における富裕層・エリートの経済的利害、政治的志向を分析するために、帝国議会議事録、発言者、人事興信録データを紐づけるデータベースの作成を継続する。 ・明治初期からの法令・勅令データベースを作成する。 ・以上のデータベースを使い、特に、原敬内閣以降の帝国議会における民主主義・人権擁護の立法政策論争、治安立法の拡充をめぐる論争に焦点を当てることで、富裕化した社会の政治階級の拡大が自由主義・個人主義にとどまり、民主主義・人権擁護を制度的・思想的に取り込めなかった要因を検証する。 ・新たに、専門家として、立法過程及び法の執行過程に直接関与した法曹・官僚の政治的・社会的階層を可視化するデータベースの作成に着手する。
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