研究課題/領域番号 |
21H04422
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
積山 薫 京都大学, 総合生存学館, 教授 (70216539)
|
研究分担者 |
阿部 修士 京都大学, 人と社会の未来研究院, 准教授 (90507922)
成本 迅 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30347463)
野村 理朗 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (60399011)
岡田 知久 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30321607)
山下 雅俊 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (50828928)
豊島 彩 島根大学, 人間科学部, 講師 (10779565)
武藤 拓之 京都大学, 人と社会の未来研究院, 特定助教 (60867505)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
|
キーワード | オキシトシン / ウェルビーイング / 認知機能 / 軽度認知障害 |
研究実績の概要 |
認知機能低下リスクのある軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)高齢者へのダンス介入の効果を、生化学的、認知神経科学的、神経心理学的に調べるためのデータ収集プロトコルを実装した。コロナ禍の病院事情により、予定していた病院の外来で軽度認知障害と診断された患者を紹介してもらうことが困難となったため、代わりに、自前で地域にチラシを戸別配布して研究プロジェクトの説明会を2ヶ月に1回程度開催し、「もの忘れが気になる」方で興味を持っていただけて選定基準に適合する方に参加を依頼することとした。参加希望者からMCI相当者を同定するために、CDR(Clinical Dementia Rating)の質問項目および神経心理学検査の得点を参照する方法により、概ね求める参加者像を抽出できることを確認した。参加者への介入前の事前検査ののち、ランダムに介入群と統制群に振り分け、介入群には3ヶ月計12回のダンス教室に通ってもらい、統制群には待機してもらった。介入後(統制群は待機後)に事後検査をおこない、事前検査のデータとの比較を両群でおこなうことで介入効果を調べられるところまで漕ぎ着けた。本報告書作成時点までに第1期、第2期参加者の事後検査まで終了し、計18人のデータ取得が完了した。ただし、まだサンプルサイズが小さいため、次年度に、第3期、第4期のデータ収集を完了してから統計解析をおこなう予定である。これまで、参加者からは、ダンス介入の効果があったと自分でも感じるが、研究参加期間が終わって何も自分でしないと機能低下が始まるのではないかと不安の声をいただいており、こうした声への対応も含め、実践的なフォローが必要であることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の事情により、実際に参加者を得て介入研究がスタートするまでの立ち上げに時間を要したが、始まってからは順調に進行しており、遅れを取り戻せてきている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでにMCI高齢者への第1期、2期の介入研究データの収集を終えているので、今後は第3期、4期のデータ収集をおこない、データの解析、結果の論文化へと進む。なお、限られた予算で生化学データの解析やMRI撮像およびプロジェクトを回す研究員の雇用など高額の出費が続いており、初期の参加者募集に若干の試行錯誤があったことも影響し、予算が尽きてきたため、計画の全体には見直しを行なっている。 もう1つの柱としていた生きづらさをもつ若者への介入研究については、コロナ禍の影響が想像以上に大きく児童養護施設などの協力が全く得られない状況が今も続いており、限られた予算では他のコストのかかる方法によって参加者を募集することも困難なので、可能な範囲の横断研究とせざるを得ない。
|