研究課題
基盤研究(A)
磁性体の内部構造探査に中性子散乱は欠かせない実験手法である。そのための大規模中性子源として日本にはJ-PARCとJRR-3があるが、後者は東日本大震災で停止していた。2021年3月再稼働予定であるが、その間の分光技術の進展を反映させた次世代高効率分光器を整備するのが第一目標である。具体的な測定対象としては、マグノンスピン流やスカーミオンなどの準粒子の構造や寿命の測定を計画している。
日本では磁性体の研究が以前から盛んであり、世界をリードする研究成果も多い。しかし、東日本大震災以降、その実験研究に欠かせない大規模中性子源がJ-PARCしかない状況が長らく続いてきた。ようやく再開されるJRR-3において、最先端の観測装置を整備する作業は、国内の磁性研究に非常に大きな意味を持っており、インパクトの大きい研究である。