研究実績の概要 |
理論から新概念の提案が続いているトポロジカル電子物質を対象として、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用しつつ、そのスキームだけでは探索・開拓することが難しい物質群の開発に挑戦している。 ① MIから発掘するスジの良い化合物(「経験」と「勘」に基づく実績を活かし新概念へ発展) ② 現状のMIでは見逃してしまう化合物(複数フェルミ面系、構造敏感な電子相、低次元系など) ③ 今後のMIでも扱うことが難しい化合物(構造非対称系、磁性系、強相関系、超伝導系など) などを独自の物質・現象・物性・機能の開拓を行う戦略として設定し、「第一原理計算」「純良単結晶育成」「先端分光計」「極限環境物性評価」を武器として実証実験を推進した。 学会発表や論文発表にまで至った本年度に扱った物質は、絶縁体(In2Se3, Fe-BiSbTe2Se, AgCrSe2, CuInP2S6, WSe2, h-BN, NiS2)から半金属(ReSe2, WTe2, MoS2, ZrSiS, HfSiS)、超伝導体(MoTe2, PdBi2, CaSb2, NbTe2, Bi2Sr2CaCu2O8)まで、多岐にわたった。新しい展開として特筆すべきは、高品質な単結晶として開発の進んだ種々の van der Waals 層状物質について、バルクとは異なる数層や自然には存在しない積層様式の構造体についての低次元電子状態を創製し、その電子構造も解明することに成功したことが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
絶縁体(In2Se3, Fe-BiSbTe2Se, AgCrSe2, CuInP2S6, WSe2, h-BN, NiS2)から半金属(ReSe2, WTe2, MoS2, ZrSiS, HfSiS)、超伝導体(MoTe2, PdBi2, CaSb2, NbTe2, Bi2Sr2CaCu2O8)までの多岐にわたる物質を、高品質な単結晶試料として開発し、それぞれについて学会発表や論文発表を行うことができた。
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