研究課題
過酸化ラジカルとNO2の反応速度定数の測定を実施した。VOCとOHの反応により人工的に生成させたRO2とNO2の反応について重点的に調べた。また、NO2の代わりにゼロガスを使用することで、RO2ラジカルの拡散速度も測定した。RO2ラジカルの検出は大気圧条件下で生成したRO2ラジカルを低圧のセルに導入し、NOと反応させることで最終的にOHラジカルに変換して測定した。ここで検討するRO2としては、CH4、C2H6に加えてC5までの飽和炭化水素から生成するもの、代表性のある2重結合を有するVOCとして、C2、C3および植物起源のイソプレン、テルペンなどから生成する過酸化ラジカルとした。これらのVOCは大気中で重要なことから対象として選定した。これらのRO2ラジカルとNO2の大気圧条件下での反応速度定数測定は世界で初めての成果となった。RO2の拡散は質量の平方根に反比例していることから、大気中の挙動は閉殻分子のものとあまり変わらないことが明らかとなった。過酸化ラジカルのエアロゾルへの取込みについてはHO2ラジカルでは、我々の研究を含めていくつかの先行研究があるが、RO2の取り込みは初めての試みとなった。RO2ラジカルの減衰を直接測定し、エアロゾルによる取り込み速度はエアロゾル試料と清浄空気のそれぞれの測定で得られる反応速度定数の差分と走査式モビリティパーティクルサイザーSMPSで測定される表面積濃度を用いて取り込み係数へと変換した。 測定したエアロゾルは塩化ナトリウム粒子(銅イオン添加、鉄イオン添加)、硫酸アンモニウム粒子(銅イオン添加、鉄イオン添加)、硫酸ナトリウム粒子(銅イオン添加、鉄イオン添加)、海塩エアロゾル(海水より生成)、トルエン由来SOA(硫酸アンモニウム上にトルエン+OH反応生成物を被膜させ生成した)である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
Review of Scientific Instruments
巻: 95 ページ: -
10.1063/5.0172219
大気環境学会誌
巻: 59 ページ: A87~A96
10.11298/taiki.59.A87
巻: 59 ページ: A50~A53
Environmental Science: Atmospheres
巻: 3 ページ: 1384~1395
10.1039/D3EA00093A
Energies
巻: 16 ページ: 4466~4466
10.3390/en16114466
巻: 58 ページ: 1~9
10.11298/taiki.58.1