研究課題/領域番号 |
21H04936
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
多田 千佳 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30413892)
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研究分担者 |
中安 祐太 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20827042)
渡邉 洋輔 山形大学, 有機材料システムフロンティアセンター, 助教 (30891527)
古川 英光 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50282827)
関口 貴子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50738086)
張 民芳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60518330)
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (90312652)
梅津 将喜 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (30891387)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | 微生物燃料電池 / メタン菌 / カソード電極 / セミウェット |
研究実績の概要 |
セミウェットバイオカソード電極を作成した。ナラの白炭を用いて、ゲル電極を作成した。ナラ白炭とゲルの混合率を変化させて微生物燃料電池にした際の電流を比較したところ、ナラ白炭を多く入れた電極の方が、少ない電極より高い電流が流れたことから、多い電極を採用した。さらに、その電極を用いたバイオカソード微生物燃料電池を用いて、有機物分解能力を確かめながら、発電能力について検討した。また、カソード電極については、ゲル電極と炭素フェルト電極とを比較し、セミウェット型カソード電極での性能を比較した。その結果、ナラ白炭を用いたゲル電極の方が、炭素フェルト電極に比較して、高いメタンガス発生量や最大電力密度を得ることができた。その要因として、一つは、ゲル電極の方が、炭素フェルト電極に比較して、電極上に付着したメタン菌数が多いことが要因と考えられた。さらに、有機酸の組成に違いが認められ、炭素フェルトに比較して、ゲル電極ではアノードでのプロピオン酸濃度が低くなっており、分解が促進していることがわかった。この違いが、アノードとカソード間での有機物分解の関係を変化させて、電力の違いを生んだと考えられた。このほか、微生物燃料電池をより簡便に作成する方法として、3Dプリントでプリントすることを目標に、最適な白炭のサイズを明らかにした。ナラ白炭の大きさを45μm未満、45-100 μm, 100μm-250 μmで比較した結果、45-100 μmでセミウェット条件下でのメタン生成が最も高いことがわかった。この原因として、ナラ白炭の孔のサイズが影響していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的である、直接的なCO2供給が、セミウェット電極ということで実施でき、また、それに適した電極の一つの方法が確立できたこと、さらに、これまでの炭素電極に比較して、高い性能を得られたため
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今後の研究の推進方策 |
今後は、さらに、ゲル電極の状態として、ゲルに含まれる炭素素材の性質の改善や、さらなる微生物量の付着、また、構造のデザインによって、さらに性能を高めるようにすること、また、アノード電極での電子ロスも工夫することで、そのロスをなくすようにする
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