研究課題/領域番号 |
21H04967
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター) |
研究代表者 |
片岡 一則 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, センター長 (00130245)
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研究分担者 |
Cabral Horacio 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10533911)
持田 祐希 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 副主幹研究員 (60739134)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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キーワード | 細胞傷害性リンパ球 / mRNA医薬 / 高分子ミセル / がん免疫療法 / 走化性制御 |
研究成果の概要 |
細胞傷害性リンパ球の浸潤が乏しい腫瘍は予後が悪い。本研究では、リンパ球の腫瘍内浸潤を誘導するケモカイン受容体のmRNAを構築し、これを標的のリンパ球に特異的に導入できる高分子ミセルを開発した。そして、この高分子ミセルを用いて腫瘍浸潤性の細胞傷害性リンパ球を生体内で作成する効果的・安全・経済的ながん免疫療法の実現を目指した。開発したmRNA内包高分子ミセルは、初代培養リンパ球に対してケモカイン受容体の発現を誘導し、がん細胞に対する遊走活性を増大させた。また、乳がんのモデルマウスに対する皮下投与により、生体内でケモカイン受容体を発現するリンパ球の作成に成功し、腫瘍への効果的な遊走が確認された。
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自由記述の分野 |
ドラッグデリバリーシステム
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞傷害性リンパ球の腫瘍浸潤性を高めるためにケモカイン受容体を強制発現させる戦略は、固形がんの有望な治療法に成り得る。本研究では、変異原性のないmRNAを用いることで、生体内のリンパ球にケモカイン受容体を直接発現させる方法を提唱した。この方法は、養子細胞療法に伴う多大な費用・環境整備の回避、治療開始に要する時間の短縮、過剰なサイトカイン放出に伴う有害事象の回避など経済的・臨床的に多くの利点がある。また、mRNA内包高分子ミセルは、保存・輸送の容易さ、低毒性・低免疫原性、繰り返し投与が可能な点などの利点があるほか、mRNAは配列を変えるだけで様々なケモカイン受容体の発現に対応でき、汎用性が高い。
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