研究課題
基盤研究(C)
様々な個別言語に見られる、従来の理論からは予測できないような語順を生じる構文について、最近の生成統語理論における文構造に関する仮説であるラベリング理論による分析を追求した。中国語におけるスルーシング(疑問節の縮約)現象を端緒として、その他の言語の語順が関わる現象も考察した。文構造中の句のラベルを決めるために主要部が移動し、その結果通常とは異なる語順が生じるという仮説を検討した。
言語学
様々な言語に見られる通常とは異なる語順が文構造上の理由から生じるという可能性を追求した。非常に大まかな述べ方をすると、文中の要素間に一致が見られる言語と一致が見られない言語では、後者の方に句構造における主要部(例えば、文の焦点を標示する機能を持つ語や動詞など)が通常とは異なる位置に生じる可能性があることを追求した。これは、個別言語間の文法的な差異がランダムに存在しているのではなく、一致の有無に合わせる形で生じているという可能性を示すものである。