本研究は、「機能語連鎖」という理論概念を新規導入し、話し言葉での働きを探ろうとするものである。2021年度では、機能語/内容語の定義について先行文献を探してみたが、なかなか難儀する課題であることが分かった。この区分は、結局のところ、観察に基づいて便宜的に設定せざるを得ないものである。2022年度は、「品詞」と「出現頻度」による折衷的基準で機能語類連鎖を定義して、『話しことばでの機能語類連鎖の働きについて』の論考を表した。2023年度は澤田(2016)での論考と関連つけて、話しことばに遍在する顕著な四つの特徴が機能語類連鎖に依拠するものであるとして論考を著した。
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